ジロフレックス33 高機能・低価格の小型OAチェア GoodDesign賞
■Giroflex33は、中級機種の価格で高級機種の機能を備えた名作OAチェアだと思う。Giroflex社は、スイスKoblenzに1832年に創業されたオフィスチェアの老舗だが、33は1993年、12、63、64は2002年に、日本のグッドデザイン賞を受賞している。パートナーの愛用椅子だが、自分も偶然AGATA/Aの新古品を購入するまでは、Giroflex33の新品が第一候補だった。画像は、カラーリングがスタイリッシュなGarage Editionだ。
■高機能チェアの3条件が仮に、①あらゆる角度で腰をホールドすること、②調整機能が豊富であること、③シンクロロッキング機能があることだとすれば、Giroflex33には十分な機能性があると思う。実際、座面下に三角形のフレームの支点がある点では、AGATAやWilkhahn等の高機能チェアと形状的な基本構造が変わらない。セミオーダーの国内受注生産だが、中古品1-3万円はもちろん、新品実売3-5万円は明らかに安い。
■前述の3条件で言えば、①まずGiroflex33が、あらゆる角度でホールド感を実現しているのは見事だ。実売5万円以下でこの座り心地であれば、無理に高級チェアを購入する必要がないとも言える。②次にシンクロロッキングだが、Giroflexにも最低限の機能は装備されている。高級機種の生き物のように滑らかな動きには感心するが、腰痛対策の基本機能が確保されるなら、それ以上は二次的な装飾だと思う。③最後に調整機能では、中級機種は高級機種ほどの細かな設定ができない。しかし、Giroflexは、座面を380mmまで下げることができ、身長160cm以下の小柄な体型にも適応可能である。カタログで強調されていないのが不思議だが、これは他に代えがたい長所だ。
■他方、有名海外ブランドには隠れた陥穽がある。Aeron Chairなら「Size C」、Stealcase Leep Chairなら非「HD」、Sensor Chairなら「Type 2」には要注意だ。長身・肥満の欧米人を対象にしているため、日本人の標準体型には合わない。実際に座ってみれば分かる。肘あての間で身体がブカブカに浮いてしまい、肘あてに腕を乗せようとすると、脇を水平に近く広げる必要がある。エルゴノミックスの意味がないのだ。高機能チェアは、一般に中古品でも値崩れしにくいが、珍しく大幅割引された特価品は、この点で不評が知れ渡った旧型LeepやAeron Cばかりだ。
■アジア市場向けに再設計されたAeron(Size A)やLeep HDですら、国産品より縦横5-10cm大きい。平均的な国産片袖机の中に突っ込んでみると、嵩張って満足に回転もできず邪魔なことが多い。購入前に身体や家具のサイズとの相性を、よくよく精査する必要がある。
■椅子の座高は身長の1/4が最適だと言われる。身長150cm台の人や小柄な女性なら本来、座面400mm以下の椅子と650-680mmの机を組み合わせるのが理想的ということだ。しかし、日本製品ですら、最低座面は400-425mm、机天板は700mm(JIS規格)が、事務機器の9割以上を占める。たとえばAGATA/Aは、最低座面を425mmに設定しているが、これは平均身長170cmの日本人男性を下限に設定しており、全国平均159cmの日本人女性では、足が床につかずブラブラしてしまうことになる。また、日本の片袖机・両袖机の中では、幅が600mm以下でないと回転や身動きの余裕はない。
Giroflex33 W590xD480xH790-875(SH380-465)mm
Vertebra W576×D535×H710-810(SH355-455)mm
Aeron A W645xD570xH845-975(SH400-530)mm
Aeron B W670xD600xH910-1055(SH415-560)mm
(W:幅、D:奥行、H:高さ、SH:座面高さ)
■この点、Giroflex33はスイス製品でありながら、最低座面400mm以下、幅600mm以下の数少ないOAチェアだ。上記データに沿って「身長の1/4」という目安にあてはめれば、アーロンチェア(サイズA)は身長160cm、ジロフレックスは152cm、バーテブラチェアは140cmの人まで対応可能だということだ。小柄な日本人女性で腰痛を抱える人には、ジロフレックスとバーテブラチェアがほぼ唯一の選択肢ではないか。Aeron Aも座面では日本人女性にも配慮しているが、幅の大きさは他の外国製品と変わらない。
■専門家も認める超高級品が、素晴らしい機能とデザインを両立させているのは、むしろ当たり前である。逆に、誰もが手の届く範囲の日常価格で、超高級品に準じた機能・デザインを実現したものを、実践的に評価したい。Giroflex33は、バーテブラ等の他の中級機種のように座板と背板の接合部で角度調整するのではなく、高級機種と同様に座面下のメカニズムでフレームの傾きを調整するため、緻密なシンクロロッキング機能を実現する。
■もちろん、3-5万円のGiroflexは、10-20万円のアーロンチェアと同じ機能ではない。しかし逆に、価格で3倍のアーロンが、機能面でも3倍分、Giroflexより優れているわけでもない。アーロンには調整機能の緻密さ等で、精々30-50%分のプラスアルファがあるだけである。Giroflexの低価格は、注文を受けてから10日前後で組み立て、無駄な在庫を持たないというJust in Timeの受注生産体制に支えられている。30%の価格で最高級機種の70%の機能が手に入られるとしたら、画期的なコストパフォーマンスだと思う。Giroflex33にはそんな合理主義が一貫している。
機能B、デザインC、革新性AA
Giroflex33
http://www.giroflex.co.jp/products/...
Giroflex33 Garage Edition (画像)
http://garage.plus.co.jp/product/...
「いすとつくえ」(カイロで健康HP)
http://www.biwa.ne.jp/...
150cmライフのオフィス入門: 小さなサイズの椅子と机
http://www.kanshin.com/keyword/...
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コメント (7)
2005/07/18
島崎丈太 小柄な女性の多い職場ではかえってこちらの方がアーロンより受けが良いかも知れませんね。 一度テスト的に導入してみようかしらん。
2005/07/19
テリー Giroflexは価格1/3の中級機種なので、家庭用にはお勧めです。他方、10万円級が標準の職場では(羨望!)、やはりAeron Posture fitのSize AやErcioが小ぶりでしょうか。「150cmライフ。」については別KW参照を。
2007/05/06
boshita 写真を見る限り、Giroflexには華があります。脚の色を座面、背もたれと同じ赤にしているだけで、その存在感がまるで違って見えますね。オフィス用の什器・家具も、機能に加えて色や素材を考える時代になったと思います。
島崎丈太 椅子の考え方は、個人宅とオフィスではちょっと違うと思います。 私は総務の担当として、椅子は全て黒で統一しているんですよ。 色が黒だと如何なるデザインのデスクや他の家具とも一応は合わせられますので・・・(汚れが目立たなくてメンテナンスが楽ちんというのもありますけれど) オフィス内の椅子と机は視覚的には目立たないようにしています。 機能的には各人の職種、体型、勤務時間に合わせて最適なものをあてがえるよう6種類程用意してあります。 個人宅の家具としては、赤とか、目立つ色も悪くないな、と思いますけれど。
テリー Giroflex33では、脚とフレームは黒が標準で、脚を赤・青・白・灰・銀色に交換するのはオプションです。フレームも赤に揃えたGarage Edition(KW画像)は、たしかにカッコいいですね。他方、椅子をすべて黒で統一してあるのもシックです。そもそも、機能性も6種類の選択肢がある職場は羨ましいです。ネットの中古オフィス家具でも、同色のT-Chair(Vitra)がまとまって出ることもあるので(引越し?)、デザインに敏感なオフィスも増えてきているのだと感じます。
boshita 総務の方のお考えもよくわかります。
確かに体型に合わせて取りそろえるとなると、いろいろ制約もでるでしょうし。(そこまできちんと考えている職場も素晴らしいですね)
ただ、黒一色じゃどうにもつまらん、と思っているのです。難しいでしょうが。
正確に言うと、ThinkPadを除いて、黒のモノはどうも好きになれないという個人的な性癖が関係していますが。
一頃、シリコンバレーに行ったらどこもかしこもAeronの黒で、最初はAeronにあこがれを抱いていましたが、機能の高さで逆にイスに座らされているような窮屈さを覚えました。
島崎丈太 椅子や机はオフィス空間の主役ではなく、基本的には人間が気持ち良くコミュニケーションする為の脇役ですからね。 私としては椅子や机が過剰な存在感を持つようでは、よろしくない、と思っております。 その点、Giroflexなんかは適切なような気がしますね。 実を言うと自宅では会社の払い下げの古いGiroflexをここ10年以上使っています。











