尾形亀之助
1900~1942
宮城県大河原町生まれの詩人。
短い生涯に残された詩集は三冊。
「色ガラスの街」
「雨になる朝」
「障子のある家」
曇った日には、亀之助の詩がよく似合う。
湿った、どんよりとした雰囲気。
重たい空気。ゼリィのような。
積極的に生きることを諦めている風でいても、
どこか滑稽で、
亀之助の詩は何度読んでも飽きない。
少し明るめの詩をひとつ。
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商に就いての答
もしも私が商(あきなひ)をするとすれば
午前中は下駄屋をやります
そして
美しい娘に卵形の下駄に赤い緒をたててやります
午後の甘まつたるい退屈な時間を
夕方まで化粧店を開きます
そして
ねんいりに美しい顔に化粧をしてやります
うまいところにほくろを入れて 紅もさします
それでも夕方までにはしあげをして
あとは腕をくんで一時間か二時間を一緒に散歩に出かけます
夜は
花や星で飾つた恋文の夜店を出して
恋をする美しい女に高く売りつけます
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画像は、数年前に仙台文学館で開催された
尾形亀之助展のポスター。
現代詩文庫から詩集が出ています。
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