高機能OAチェア・十万円の「機能」を比較できる場所
■高機能OAチェアは、実際に座ってみないと真価が分からない。とくにすべての調整レバーをいじり、自分の身長・体型に合わせてあらゆる調整を試してみることは、必須だ。10万円以上のOAチェアはオフィス用品として非常に高価な買い物なので、身体工学(エルゴノミクス)上の「高機能」が、自分にとってどれだけの金額出費に見合う価値があるか、判断しなくてはならない。
■量販店によくある廉価品は、ヘッドレスト・メッシュ・リクライニングなど外見だけは似せてあるが、高機能チェアとは似て非なるものだ。革張りのエグゼクティブチェアはもちろん、それに似せた合成皮革張(「重役椅子」)は、通風性が悪く蒸れるので百害あって一理なしだ。毎日8時間以上のヘヴィーユースに耐える高機能チェアの心臓部は、豪華そうな外見などではなく、関節部分と調整レバーの機能にある。
■もっとも肝心なのは作業時の前傾姿勢や直立姿勢で、腰をホールドし続けることだ。自分の体格に合うことは最低条件だが、姿勢変化の癖にも合っていると理想的だ。柔らかなリクライニングだけなら廉価品でも実現できるが、安全確実なホールドとの両立は、5万円以下の椅子では難しい。一度本物の高機能チェアにじっくり座ってみれば、デザイン上の好みや抽象的な座り心地でなく、あらゆる角度できっちり腰を支える「機能」が分かるはずだ。腰痛を抱える人には、派手な廉価品の新品よりも、Giroflex33やバーテブラチェア等の外見的には平凡な中級品の中古品の方が、長期的に良い可能性がある。
■オフィス等で高機能チェアを本格作業用に使用する機会があればもっとも理想的なのだが、なかなかそんな良い機会は少ない。しかし、ハーマンミラーのアーロン、岡村製作所のコンテッサ、コクヨのアガタ、ウィルクハーンのソリスやモダスなどには、メーカーのショールームもあるので、せめて店頭で座り比べてみることが生産的だ。大型文具店にも複数の高機能OAチェアを店頭に揃えているところがある。
■さらに、実際に30-60分以上パソコン作業してみて、自分の姿勢変化に合わせた椅子の対応を見ることができれば、より実践的だ。たとえば、30分以上机に向かっていると無意識に身体を伸ばしたり左右に揺らしたりする人がいる。そういう人には、前傾姿勢をロックした上で微運動を許容するチルト機能が良い(たとえばKOKUYO AGATA/A)。逆に、椅子の上でアグラをかいてしまったり、極端に姿勢を崩す人には、背板ががっちりロックできた方が良い(たとえばWilkhahn Solis)。こうした各人の癖と相性は、作業が長時間にならないと分からない。
■ホテルや空港の有料ビジネスセンターでは、高機能OAチェアを用意しているところがある。たとえば、ある空港のラウンジでは、KOKUYO AGATA/AやWilkhahn Solisをさりげなく備え付けている。なお、混んで使えなくなると皆が困るので、具体的なことは関心や情熱に応じて自分で調べてみて欲しい。
●Herman Miller Aeron Chairs(画像)
http://www2.hermanmiller.com/global/...
ハーマンミラー東京販売店一覧
http://www2.hermanmiller.com/global/...
●Okamura Contessa
http://www.okamura.co.jp/product/...
岡村製作所ショールーム
(永田町駅、赤坂見附駅、心斎橋駅、赤坂駅)
http://www.okamura.co.jp/company/...
●Kokuyo AGATA/A
http://www.kokuyo.co.jp/furniture/...
コクヨ・ショールーム(品川駅)
http://www.kokuyo.co.jp/purchase/...
●Wlkhahn Solis
http://www.wilkhahn.co.jp/products/...
ウィルクハーン・ショールーム(六本木駅)
http://www.wilkhahn.co.jp/shop/...
●Giroflex33
http://www.giroflex.co.jp/products/...
ジロフレックス・ショールーム(大森駅)/販売店一覧
http://www.giroflex.co.jp/showroom/...
●羽田空港
http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/...
- 2005/08/01更新
- 2005/07/31登録
- 9378クリック
「高機能OAチェア・十万円の「機能」を比較できる場所」を検索
このキーワードはコレクションに選ばれています(1)
- メイン
- コメント(7)
- つながり(10)
- トラックバック(1)
コメント (7)
2005/07/31
島崎丈太 確かに仰る通りで、椅子はある程度長時間使ってみないと本当に座り易いかどうか、判断出来ないですね。 更には、自分にとって「合っている」かどうかを身体的に判断出来るかどうか、という点も。 結構素人には難しいかも。
島崎丈太 香港のオフィスでハーマンミラー社の椅子を導入する時ユーザー調査をした際、身長150cm程の小柄な中国人女性が「Lサイズの椅子が最も座り易い」と言って聞かず、結局全員Lサイズ、ということになったという記憶があります。 文化的に大きな椅子が偉そうな(上位に見える)という伝統があったりするのかな、とも思ったのですが、どう考えても体に合わないものを「合う」と強弁してしまう場合も有りえるんだな、と考えさせられました。
2005/08/01
テリー 中国のエグゼクティブチェアが伝統的に大きいという話は聞いたことがあります。ただ、アーロンCサイズでデスクワークさせられたら、両脇ともブカブカで、腰や肩を壊しそうです。ブランドに騙されず、自分の手足で確認することが不可欠です。その意味もあり、ぼくのKWは原則として、自分自身が実際に使ったものしか取り上げない主義です。
島崎丈太 香港で採用したのはAmbi chair http://www.herman-miller.com/CDA/SSA/... だったんですが、Aeronとはサイズが少し違うのかも知れません。
島崎丈太 それにしても、テリーさんのKWは全部時分で使ったものなんですか? 凄い!
2005/08/02
テリー テリー文具KWは、一使用者として実務的使用感を述べ、「デザイン、機能、革新性」の独自評点をつけるのが基本姿勢です。評点があればすべて使用品です。そのため、知らない良品が山ほどあり、サンプルには偏りがあります。他方、10選などのリスト類やトレジャーチェア等数点は、使用感想とは性格が違うので、評点もありません。Ambiは未知の椅子ですが、香港とはグローバルですね。
島崎丈太 海外、特に東南アジア各地のオフィスに行くと、日本のオフィス家具什器の品質の高さに気付かされます。 普段は色々文句言ってますが、やはり日本製はそれ相応に高品質だと感じます。 マニラ辺りだと、買って数年を経ずして背凭れ部分が破損するなど、テリーさんが書いていらっしゃる「廉価品」のような椅子が結構多いです。 ある程度以上の水準を求めるとなると、輸入品しか方途が無い、というような場合も多いです。










