マーク・トウェイン/ハックルベリー・フィンの冒険
「トム・ソーヤー」はもちろん大好きだった。でも、もっと好きなのは、トムの相棒、ハックのほうだった。かたっくるしいおぼっちゃんの生活から逃げ出して、空き地で暮らすハックにしびれたものだ。だけど、マーク・トウェインは、トム・ソーヤーには投影できなかった自らの内省としての「アメリカの矛盾」をハックルベリー・フィンにたくしていくことになります。「トム・ソーヤーの冒険」の続編として描かれたこの長編は、じつはアメリカ文学史上、もっとも最初にこの矛盾につきあたって苦悩してみせた傑作のひとつなのです。
もちろん、胸おどる冒険少年小説として読んでも十分面白いのだけれど、この本のほんとうの価値は、あの時代において、ハックのような宿無しの少年が「アメリカ」につきつけている純粋無垢な問いかけにあります。それは、単純に南部の黒人問題としても捉えられるけれど、それ以上に深く、根本的な、今日にいたるまでの、答えの出ようのない問いでもあるのです。
- 2005/08/04登録
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コメント (3)
2005/08/05
島崎丈太 子供の頃、一度読んで、何となく単なる冒険物以外の感触を覚えた記憶はあるのですが。 もう一度読み返してみたいです。
Meisterschale 子供の頃の愛読書。もちろんアニメも見てました。二人の冒険に憧れたものですが、大人になって読んでみると、違うメッセージが浮き彫りになってくるんですね。もう一度読んでみようと思います。
ryouji ほんとうに、「大人読み」すべき傑作だと思います。ヘミングウェイもそう言っています。
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