宮沢賢治/銀河鉄道の夜
ぼくらは誰も、ジョバンニでもカムパネルラでもない。このお話が美しいとして、もしも、このお話を美しいと感じてしまったら、現実世界の醜さに赤面して、とても、日々を生きることなどできなくなってしまうに違いない。宮沢賢治は唐突なほど遠いユートピアからの突起物として、ぼくらにその鉱石の断面を輝かせてみせているに過ぎないのだと思う。
目を閉じればかなしくなる。銀河に夜も朝もないだろうに、銀河鉄道は夜なのである。本当に、みんなの幸いのためなら…?そんなこと、ぼくはとても、考えられない、だけれど、それでもなんども、この本を開くと言うことは、見えない夜のなかに、瞳を閉じてみるということなのかもしれません。
- 2005/08/05登録
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