落下する夕方
8年間一緒に暮らした恋人・健吾が家を出ていき、
その代わりに健吾が新しく好きになってしまった相手・華子が突然家に転がり込んできて、一緒に暮らし始める。
本来なら(私なら)とっとと追い出すところだけど、
華子にはどこか追い出せない魅力や一緒にいるときの居心地のよさがあった。
それに、華子を失うということは、同時に健吾も失ってしまう。
主人公のリカは、華子を通じてでも、健吾とつながっていたかったのだと思う。
もしくは、8年間の後の別れで、
本当に心にぽっかりと穴が開いてしまって、
華子を追い出すという感情にも至らなかったのかもしれない。
江国さんの小説は、本当にすらすらと私の中に入ってくる。
淡々と、でも確実に気持ちが入ってきて、
じわじわと悲しくなったり切なくなったり。
それから、
おいしいお茶が飲みたくなったり、
部屋にお花を飾りたくなったり、
悲しいと感じてる主人公の心とは裏腹に、
小説に登場する大人で優雅で穏やかな生活に
思わず憧れてしまう。
- 2005/08/15更新
- 2005/08/15登録
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