箱男/安部公房
ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは?
贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換するシーン。読者を幻惑するいくつものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。
----------------------------------------------
私は最初(1回目)に面白い!!と思った本を立て続け(2回目)に読む。
そこで振るいにかけられた書籍たちは、お気に入りの本として保管されるか?古本屋やオークション行きか?に分類される。
この『箱男』はそのどちらでもないカテゴリーに所属する書籍である。
そこまで面白い!!という訳ではないのだが、『もう1回。もう1回』と再読したくなる。
あまりにも不思議な話の内容・目まぐるしい展開をどうにか自分なりに理解しよう!と思うのだが、読み終えるとまた、その不思議な余韻がつきまとい、再読してしまうのだ。
【疑問点】
● 『誰が本当の箱男なのか?』
● 『日記を書いているのは誰なのか?』
● 『いつの話なのか?』
● 『箱男になってしまう(なりたい)理由とは?』
これもある意味お気に入りの本(むしろ気になる本と言ったほうが適切かもしれない。)に入るのかもしれない(笑)
------------------------------------
【文中抜粋】
なぜぼくはこうも覗くことに固執するのだろう。臆病すぎるせいだろうか。それとも、好奇心が強すぎるせいだろうか。
考えてみると、しじゅう覗き屋でいつづけるために、箱男になったような気もしてくる。あらゆる場所を覗いてまわりたいが、かと言って、世間を穴だらけにするわけにもいかず、そこで思いついた携帯用の穴が箱だったのかもしれない。
逃げたがっているような気もするし、追いかけたがっているような気もする。どちらなのだろう。
このキーワードを共有する
-
メイン
コメント (6)
最新コメント5件
2005/08/18
machibey よかった!!yatakoさんもこの本の不思議な魅力の虜になっているのですね☆理解できないけど、気になる不思議な本です。
小麦 んー。私もこの本、捨てられません。っていうか、安部公房の本はなんとなく捨てるのが惜しくて(二度と出会えないような気がする?)読んだものは全部とってあります。
machibey 小麦さん、実は安部公房さんの作品を読むのはこの本が初めてなんです(赤面)他の作品も読んでみます☆
2005/08/30
guchi179 つい最近読んだんだけど面白かったです!しかし一気に読まないとストーリー忘れちゃって余計にわけわかんなくなる。笑
machibey そうなんですよね(汗)場面の展開が目まぐるしくて、混乱してきますよね(笑)
- すべてのコメント »
つながりキーワード (6)
箱式
- (想太郎)
渋谷のミニシアターQ-AXで流れる、携帯電話OFFのアナウンス映像の中で気になるものが・・。なぜか立方体の動物が動き回っていてユーモラスなのです。最後に「箱式 ハコシキ」...
『箱男』
- (AE-1)
安部公房・著 新潮文庫 夏休みに読んだ本② 途中に入っている写真が現実味を感じさせて、更に恐怖を掻き立てる。
箱男
- (ハナオトコ)
イーエスブックスというネット上の書店?で作った本屋。自分の関心のある本を載せてます。
箱男/安部公房
- (mm*)
今年も読んでしまった... 安部公房の「箱男」 面白かった 映画化の話は 何処へ消えたのでしょう♪ 余談ですが 色んな人の 感想が読んでみたくて Googleで検索...
箱男/安部公房
- (尽頭子)
以前NHKで放送していた安部公房のインタヴューを目にしてから、ずっと気になってましたが、やっと去年の春から彼の作品を読み始めました。最初に手にしたのは「箱男」。池袋の芸術...
安部公房
- (サボタン)
小説家。 難解だと敬遠する人も多いようだが、実際には読みやすいし面白い。現代人に共通する主題を扱っているため、何十年経っても古さを感じない。海外でも評価が高いのはこの普遍性によるのだろう。...
トラックバック (1)
箱の中から這い出す
- ぶらぶら日記 B面 | Tracked: 08.12.10 12:13 am
ぎりぎりまで宿題をやらない癖は、社会人になってからついた。 学生の時はけっこう計画的だったけれど、仕事をしていると必ずといっていいほど予期せぬ事件が起きるから、どうせ思惑どおりに事...
- トラックバックURL
- http://www.kanshin.com/tb/keyword-790233






生きる歓び
桜の森の満開の下


