タニザキジュンイチロウノマエノセンカンテイ
谷崎潤一郎の「前の潺湲亭」
1946(昭和21)年11月24日、谷崎潤一郎は京都市左京区南禅寺下河原町52に一軒家を求めた。
彼は、この屋敷を「潺湲亭」(せんかんてい)と名づけた。「潺湲」とは、水のせせらぎのことだそうだ。しかし、谷崎は後に転居した先も同じく「潺湲亭」と呼ぶようになる。区別するため、今日では「前の潺湲亭」「後の潺湲亭」と呼び分けている。
「前の潺湲亭」は現存しない。跡地に古い、黒ずんだ、小さな木の札が残るだけ。■■という表札のある邸の南側塀の外、15センチメートルぐらいのところだ。
札には墨で縦書きに、こう書かれているのが、かろうじて読み取れる。20年ほどまえ、私が近所に住んでいたときには、鮮明に読み取れたものだったが。
谷崎潤一郎先生
当所にて昭和廿三年
名作「細雪」を執筆す
だれがいつ、この札を設置したのかは知らない。札自体には文化財的価値は、ないといっていいだろう。
市バス「南禅寺永観堂道」北方向(東天王町方面。南禅寺方面とは逆)バス停のすぐそばだが、あまりにも目立たないため、注意しないと見落とす。歩いてすぐの南禅寺は今もいい所だが、バス停周辺には残念ながら風流さは、ほとんど残っていない。
狭いバス通りは、車の流れが多い。往時のよすがが、しのばれるのは、ただただ、裏を流れる白川の流れだけ。「潺湲亭」の名の由来だけが、しのばれる。
上の画像は、神田さんの「東京紅団」 http://www.tokyo-kurenaidan.com/... という、きわめてすぐれた文学散歩のサイトから、拝借しました。
その他の参考サイト:
http://66.102.7.104/search?...
- 2005/10/01更新
- 2005/09/30登録
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