マニ車
マニ車。チベット仏教の法具。ガラガラのようなものの中に、クルクルと巻いた経文が入っていて、これを一回まわすと、一度お経を唱えたことになる。
チベットの記録映像では、このマニ車をブツブツと真言を唱えながら、クルクルクルクル勢い良く回している人の姿がよく見かけられる。このマニ車の側面には重りがついていて、回し始めると結構勢い良く回るのだ。
寺院などにある回転ドラムのような巨大マニ車は、一度まわすと100回分の真言を唱えたことになるようだ。
この信仰に良くわからない合理性を導入する、チベット人のメンタリティが私はたまらなく好きだ。
高校生の頃、古道具屋の店頭に置かれたマニ車の装飾の
美しさに魅かれ、購入。確か、古道具屋のおじさんが学生
だからといって1000円ほどまけてくれた。学割で、マニ車
を買った人間はたぶん日本では、私ぐらいなものだろう。
中をあけてみると、独特の優雅さをもつチベットのキ
リキリとした字体の経文が中にはいっており、その経文は
なんともいえない、獣臭いような独特の匂いを放っていた。
しかし、ある日、家に上がったうちの犬が噛み散らかして、中に入っていた経文をバラバラにしてしまった。破れたのをのりで貼り、日陰に干してまたもとのようにマニ車の中にクルクルと巻いて経文をしまったが、実は経文を逆に入れてしまった(逆に回すと業をつむといわれている)のではないかと、いまでもちょっと不安である。






