柳宗悦「工藝の道」
心は浄土に誘われ乍ら、身は現世に繋がれてゐる。私達は此宿命をどう考
へたらよいか。異なる三個の道が目前に開けてくる。現世を断ち切って浄土に
行くか、浄土を見棄てゝ現世に走るか。一つは夢幻に溺れ易く。一つは煩悩
に流されるであろう。何れもが心に満たない時に、第三の道が開けてくる。
輿へられた現世である。そこには何か意味がなければならぬ。よもや空ろなる
世ではないであろう。此世を心の浄土と思ひ得ないだろうか。此地を天への
扉と云い得ないだろうか。低き谿なくば高き峯も失せるであらう。正しく地
に活きずば、天の愛も受けないであらう。「身は精霊の宮」と記されてゐる。
地をこそ天なる神の住家と云い得ないだらうか。冬枯れの此世も、春の色に
飾られる場所である。地上に咲く浄き蓮華を、浄土の花とは呼ぶのである。
地に咲けよとて天から贈られた其花の一つを、今し工藝と私は呼ぼう。
冒頭部分を引用した、書き出しで全てを語っているようだ、文庫で読み直しあらためて八十年の距離がちっとも変わってないではないか、昨夜日本の古本屋で検索して一万二千円から五万円のひらきを確認。
たまたま今日よった松本の古本屋で話をしてたらあるではないか、最近はいったという、三万円、分割でもいいよと言ってくれたのだが、なんせ自転車なもんでそのうち縁があればと後ろ髪引かれる思いで後にした、さっさと仕事しろ!
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