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独自の光線と聡美・もたいの佇まい。そんな

かもめ食堂:荻上直子

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TV放映された映画『かもめ食堂』(荻上直子監督:2005)を観つつ、この作品に描かれる空間の心地よさって何?って、つい考えてしまいました。このあと、『めがね』、『トイレット』とつづく気鋭・荻上直子・脚本・演出の三部作の第1作(原作・群ようこの小説)。『恋は五・七・五』(2005)にも、その独特のセンスの良さが垣間見えていました。
小林聡美が営む、フィンランドにある「洋食店」?(聡美曰く、「食堂」)が舞台。
ひどくさりげない、けれど周到に仕掛けられた映画内の空気感に惹き入れられます。
まず、フィンランド・日本語併用の「かもめ」のロゴが書かれたお店の内装がある。天井が高くて適度な暗さがキッチンの奥にあり、光線は表ウインドーから柔らかく射している。
これは、映画内のかの国の街(ヘルシンキ)に絶えず差している同質の光線の質感でもあるワケです。
そして、身の丈が私たちよりもずっと大きな3人組おばさまたち、の眼には、「異国の女」である小林聡美はまるで子供にしか見えない(「あの子って、小さな大人なのよ」)。
こんなささやかなエクゾティズムの描写が空間としっくりブレンドするさまに「あっ、成程ね」って思っていると、日本びいきの青年がいきなり「ガッチャマンの歌」を聡美に教えてくれってくる。
歌の歌詞をすべて覚えている旅行者のミドリさん(片桐はいり)に教えてもらう次の下り(シーン)で「100万回、歌詞がぐるぐると頭のなかで廻っていて、すっきりした」聡美が、歌をはいりとつい大声で唱和し、周囲のフィンランド人が「なんだあ?」と驚く図で、すでに私は荻上監督の手の内に掌握されていたようなのです。
『めがね』、『トイレット』でも独自の「不思議女子」を演じ、おそらく「荻上直子的世界観ってこれ!」の造形を体現しているらしい、もたいまさこの「異人」ぶり。佇まいのいい彼女のしぐさと行動は、観る者のこわばった世相感や思い込みをまるで脱臼させるがごとく、解放します。現にこの作品では、ようやく食堂に入り始めたかの国の客の眼を圧倒的に惹き付けるのが、もたいがほおばる「おにぎり」なのですから。
もちろん、小林聡美の力の抜けた、さりげなさの中に強い意志を秘めた個性(そうでなきゃ外国、それもフィンランドくんだりで開業など出来るワケがありません)、のもつ魅力が、なによりも大きい。ある世代の数多(あまた)の女子の共感を呼ぶ『かもめ食堂』の不思議な魅力は、彼女たちよりもずっと年上の中年男さえも唸らせたのでした。
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anoano
詳細情報
  • 原題: 「かもめ食堂」:BSシネマ
  • 放送チャンネル:NHK・BSプレミアム
  • 放送日時:1月23日(月):午後9:00~
  • 【DVD】¥2000より:amazon価格
  • 2012/01/28登録
  • 862クリック

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コメント (4)

2012/01/28

もえぎ  BSで再び観ることができてよかったです。 「世界の終わりの日には、何がしたい?」 やはり親しい人や家族と集いおいしいものが食べたい、、、震災後の今だから実感できるように、何気ない日常の、焚きたての白いご飯やほかほかお味噌汁にソウルフードを感じました。アラビアのお皿やもたいさんが着ているワンピースのすてきな北欧ファブリックにも目が釘づけになりました☆レトロブルーのお店の色もいい感じで☆ 

anoano ご覧でしたか(嬉・嬉♪♪)。もえぎ.さんの仰せのように、震災後だからこそ、この作品がもつメッセージを大事にしたいですね。「珈琲は人に淹れてもらったほうが美味しいのだよ」、との前・入居者オジさんの金言に真摯に耳を傾ける小林聡美に、感じ入りました。ここ数日、「コピ・ルアック、コピ・ルアック」と呪文を唱えつつ、珈琲を淹れていますが、果たしてお味は、、、、?(笑)。お皿、素敵でしたねえ。いろんな細部が入念にしつらえてあるのに、ごく自然に見えます。ものづくりの基本も学ばせてもらいました。

2012/01/29

たまる こんにちは♪わたしは、録画しておいたものを、ちょっとまえに、眺めていますが、ほんとうに、上品ですねぇ...いつみても、この作品はよいけれど、まさこさんが、おじさんから、ネコを預かる場面、よいですねぇ。これで、三人で、しばらくは店をやっていけるのですねぇ・・・けれど、あの荷物は、なかに、なにが入っていたのかしら?PS 今朝はシューマンを聴いていましたが、午後は、東京クァルテットのはじめの録音、ハイドンの作品50のレコードをひっぱりだして聴きました。あのときは、まだ、名倉淑子さんがいたのですねぇ。よい一日を♪

anoano たまる.さんもお好きでしたか(嬉・嬉♪♪)。まさこさんにターゲットを絞ったんですよね。「貴女なら安心して預けられる、と(しかし、おじさんの身にいったい何が?)。まさこさんの不思議ちゃんならぬ不思議おばさん(おねえさん)ぶりがじつ良いですよね。何か秘密のミッションを帯びた(とんでもないものを鞄に詰めていた??)人物、なぞとつい、妄想してしまいます。名倉さんがいた(短い期間でしたね)創設メンバー時のハイドンのアンサンブルはじつに見事で、他の団体によるハイドンを聴くとき、どうしてもこれと比べてしまいます。作品50は名作揃いですしね。ハイドンの清潔な音の空間とともに、休日の残りの時間をお愉しみ下さいね。

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