べじゃーるのぼれろ
ベジャールのボレロ
映画ファンなら、ダンスにとんと興味のない人でもボレロだけは
知っている人が多いし、これを否定的に言う人を私は知らない。
映画「愛と哀しみのボレロ」は、このダンスを抜いても名作だと
思う、でもこの曲とこの舞踊のもたらす魔力の大きさが感動に関与
しなかったなんて思う人はいないだろう。
舞踊というものの恍惚と陶酔を浴びると、踊ることの根源が
宗教儀式だったということが、よく理解できる。
フラメンコで「ドゥエンデ」という言葉があって、舞踊手の
オーラや気力や表現などの全てがまさに頂点に達したような
状態の事を、ドゥエンデ(魔)が宿ると言うらしい。
「ボレロ」は15分ほどの曲の間、主役のメロディーにつられて
群舞のリズムたちが次々に踊らされるという単純な流れ。
メロディー役は、15分もの間休み無くきっつい踊りを強いられる
訳だけれど、エトワール級のダンサーであれば技術と体力的には
難しくないのじゃないかと思う。
ただ、このメロディーがドゥエンデの宿りがない踊りをしたら、
リズム達は、アホか段取りだけの役人か、みたいに見えてしまう。
技術と体力とは全然違うところで勝負しなきゃいけないトコロが
このボレロの怖さと難しさなんだろう。
私は4人の踊り手のボレロを生で見ている。
ショナミルク、マリシアハイデ、シルヴィギエム、ジョルジュドン
ドン以外は女性舞踊手ばかりなのだけれど、不思議なほど違う。
ショナはまさにリビドーと絶頂を感じさせた、ハイデからは強靱な
支配を、ギエムからは制圧を感じたけれど、女性陣が魔力で圧倒し
凌駕してきたのに比べて、ドンだけは憑巫のようだった。
ただ、残念ながら私が生で触れることが出来たときには、あのドン
の圧倒的なパワーの最盛期は過ぎていた。年齢かHIVによるのかは
わからないけれど・・・
それでも、私が見た全ての舞踊手はボレロを魔的に魅せてくれたと
感謝している。あの巨大なうねりの中に身を置いたら、しばらくは
起きあがれないような気にさせられる。それ程の共鳴とショックを
与えてくれる芸術は、どの分野でも限られていると思う。
特にパフォーミングはフイルムでは全く違うものになってしまう。
残されているものと、生で起こっていることには大きく違う。
これだけのものを観ることが出来た事に感謝します。
- 2006/01/13更新
- 2006/01/12登録
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コメント (3)
2006/01/13
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2006/01/16
blanche 私はボレロ、東京バレエのでしか見てないんです。
コンテンポラリーダンスも面白そうですね。なかなか見に行く機会もないのですが。マリーシューイナール、面白そうなのでチケット検索したのですが、見つからないんですよね。。。うーむ。
2006/01/20
birochana blancheさん、お返事遅れてごめんなさい。シュイナールは25日に発売になるんだそうです。先走ってしまいました・・・済みません。
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