『アリス』 ヤン・シュヴァンクマイエル
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』をシュヴァンクマイエルが実写と人形アニメを混ぜて映像化した作品。
この作品については、グロい、気持ち悪い等の意見も多いようだけど、わたしはオリジナルの『不思議の国のアリス』という小説をかなり的確に捉えているように思う。
『不思議の国のアリス』自体が、まともで常識的な世界をくつがえす物語だ。
大きくなったり小さくなったり、赤ん坊が豚になったり、猫がニヤッと笑って消えたり、トランプの女王が首を刎ねろと叫び続けたり。
ジョン・テニエルによる有名な挿絵も決してかわいらしいものではない。
かわいらしくなかったアリスにかわいらしいイメージを付与したのは、もちろんディズニー・アニメだと思う。今ではディズニーらしい清潔感をまとった『不思議の国のアリス』のイメージが一番受容されている。
シュヴァンクマイエルの映像でアリスを演じる女の子はあまり笑わなくてかわいらしくない(それがすごくかわいいんだけど)。
小瓶の中身を飲むときも、指を突っ込んで思い切り舐めたり決して美しい(清潔な)映像ではないけれど、それがすごく素敵だった。
ウサギはすごく出っ歯だったり、靴下が芋虫になったり、動物の骨が歩いていたり、蛙の伝令は舌を長く伸ばしてハエを食べたり、確かに気持ち悪いんだけど、これはまさにアリスの世界じゃない?
不思議の国はアリスが夢で見た話であるわけだけど、子どもが想像する世界って本当はこれぐらいグチャグチャで、気持ち悪いものだ。
清潔感たっぷりのディズニー版アリスよりもこのアリスの方が返って子ども向きだと思うし、わたしに娘ができたら是非これを観せたいなあ。
- 人名: ヤン・シュヴァンクマイエル
- 地域: チェコ
- 発売元: コロムビアミュージックエンタテインメント
-
ASIN:
B00077DAYE

商品を見る - 価格: ¥3990
- 2006/01/26更新
- 2006/01/26登録
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