白痴
ドストエフスキーの理想主義的ユートピアに住むであろう心の綺麗な青年、ムィシキンの悲劇。なぜこのような人物が創造できたのかというのがひとつの奇跡のような気がする。もしかしたら、このような生き方をした人が本当にいたのかも知れないと思わせるところが作家の非凡な類まれな才能なのであろうとも思う。
作中に銃殺刑の執行直前に命を救われた男の話が出てくるが、これは作者の実体験に基づくものらしい。ムィシキンに対置するためにこれでもか、これでもかと心の綺麗でない、雑多な人間たちが出てきて、泣き笑いの悲喜劇を展開するが、今一歩で陳腐になってしまうぎりぎりのところでひいているのがさすがだ。
是非ご一読を。この作品は発表時は不評で、今は最も良く読まれているドストエフスキーの傑作となっている。
- 2002/04/27登録
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コメント (1)
2002/07/28
み どこで読んだのかは忘れましたが、「白痴」は挫折を感じた時に読むといい本三冊の中のひとつです(あとは、「ドン・キホーテ」、もうひとつは忘れてしまいました。)。ムイシュキン公爵の台詞に「世界を救うのは美です。」って確かありましたよね。僕は公爵の「人より余計に苦しむことのできた人は、当然、人より余計に苦しむ値打ちのある人なんですよ。」(新潮文庫p376)の部分が好きで、落ち込んだ時に読みかえしたりします。
「カラマーゾフの兄弟」もいいですよ。長いけど。公爵に魅力を感じるなら、アリョーシャにも同様のものを感じるはずです。
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