死神の精度
これはまずい。
そろそろちゃんとしたレビュー的なものを書いておかなければなるまい。
このままでは【ちょっと頭の悪い人の書いた日記】として世間様に認知されてしまいかねない。
なんのための心機一転かわからなくなってしまう。
ということで本日は真面目に行こう。書籍レビューだ。
去年一番読んだ本が伊坂幸太郎作品。
私的2005年度NO1作家である。
1971年千葉県生まれ。新潮ミステリー倶楽部賞受賞の「オーデュポンの祈り」でデビュー。その後「重力ピエロ」「チルドレン」「グラスホッパー」の3作品が次々と直木賞候補となる。「陽気なギャングが地球を回す」は佐藤浩市、大沢たかお出演で映画化されるのでご存知の方も多いのではないだろうか。
【近年稀にみる資質の持ち主】等、各方面から大絶賛の、今が旬のミステリー作家である。
彼の言葉選びは非常に洗練されている。
作品のタイトルにもそのウマさが光る。
特に【死神の精度】という連続短編集は秀逸。なんとも無駄の無いクールなタイトルではないか。
伊坂作品「ベストタイトル賞」を差し上げたい。
さらにこの本の表紙の装丁もいい。スタイリッシュだ。オシャレさんだ。
続けて「ベストデザイン賞」も受賞だ。
これで著者が「ベストジーニスト」にでもなれば三冠王だ。
【死神の精度】の主役は「千葉」と名乗る死神である。
人間の生死をジャッジし、死の瞬間を見届けることが彼の仕事。
「死」という重たいテーマをここまで軽やかに書き上げてしまうところは伊坂幸太郎さすがとしか言いようがない。
ちょっとズレた死神はミュージック好きの雨男。
従来のダークなイメージを払拭したクールだがユーモアのある新しい死神像を作ることに成功している。
この伊坂流死神のキャラが功を奏してか読後感は抜群だ。
しかし。死神はやはり死神で。
千葉は決して「死」の前で感傷的にならない。冷静沈着に自分が「可」とした人物の死に立ち会う。
人の死なんて興味はない。
なぜなら「死」はあたりまえの出来事だから。
私は、伊坂作品全般に漂うこの客観的な視点が好きだ。
冷静であるが冷酷ではない。
こんな魅力的な死神が現れてくれるのなら自分の死に際が少しだけ楽しみになる。
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