日本語は進化する―情意表現から論理表現へ
加賀野井秀一、日本放送出版協会
近代日本語の起源と成立、日本語の性格、将来への展望についてまとめられた本。
■第一章「分裂していた日本語」
現在の日本語では、文章は「です・ます」体か「だ・である」体の漢字かな交じり文で、文章語と口頭語の間も大きな差異はない。
だが、それ以前は、ほとんど漢文の白文、返り点付き漢文、漢字カタカナ交じり文、和文(古文)など、さまざまな文章語の形態があった。
口頭語の方も方言などまたさまざまな形態があった。そのディスコミュニケーションを戯画化した作品『國語元年』(井上ひさし作)の例が面白い。
■第五章「『蠱惑的』から『分析的』へ」
判断的、分析的なヨーロッパ語に比べて、日本語は蠱惑(こわく)的だとの指摘。これは、単語のレベルでの語感や手触りに惑わされ、命題的な内容には目が向けられにくいということ。「『おまえ』とはなんだ『おまえ』とは」というトラブルは確かにありがちであるし、新語の神格化、振り回しという現象も説明がつく。
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