トリツカレ男
新潮社文庫より。
いしいしんじさんの作品。
とあるレストランのウエイター、ジュゼッペは「トリツカレ男」。
いつだってなにかにトリツカレている。
あるときはオペラ、あるときは三段跳び、探偵ごっこにサングラス集め…
そしてあるときジュゼッペは、風船売りのおんなのこ、ペチカにトリツカレて…
つめたいなかのあたたかさ、寂しいからやさしいがわかる、いしいしんじさんの書く、すてきな物語。
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以下、感想(ネタバレ含む)。
まだ風の冷たい、4月初めの長野で読んだ。
そんな季節にぴったりのおはなしだと思った。
ちょーっとまるく収まりすぎじゃない?と思わないでもなかったけれど、同時にまぁいいんじゃない?と納得もできる。
生徒たちをまもるために雪山へ自らを投げ捨てたタタン先生を想いつづけるペチカ。
タタン先生にトリツカレてしまったジュゼッペが梯子から落ちてくるのを、ペチカ自身が受け止める、その意味。
気の利くハツカネズミ(あんなこがそばにいたらなぁ!)や、ジュゼッペをしようがないなぁ、と言いつつ見守る町の人びともあたたかくて。
いしいさんの作品は、つめたくてやさしい色、クリームソーダ水のイメージ。
『ぶらんこ乗り』が、ちょっと洗練されたような感じかな、と思った。
はやく『プラネタリウムのふたご』文庫化されないかなぁ。
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