しゃべれどもしゃべれども
新潮社文庫より。
佐藤多佳子さんの作品。
主人公は、噺家(落語家)の今昔亭三つ葉、26歳。
でかい声(地声)に単純な性格(しかも短気)。粋なばあさんに育てられ、今は亡きじいさんの影響で、落語の世界に舞い込んだ。
師匠の下で修行を積むこと9年、二ツ目になり、ぼちぼちな日々を送っていた…が、ある日従弟の良から頼み事を持ちかけられる。
話し方の指導?あがらないための方法の伝授?
噺家をなんだと思ってやがる!
ところがそんな三つ葉の思いとは裏腹に、彼のもとにはへんてこな奴らがぞろぞろ集まるようになってしまった。
自分に対する自信のなさ故、吃音の出てしまうなよなよ系美男子の良。
人に食ってかかる様にしか接することのできない、黒猫のような女、十河。
鉄砲玉のごとく、戦うことを恐れない(故に一人ぼっちの)関西弁の小学生、村林。
口を開けば嫌味ばかり、元プロ野球選手で第二の人生の入り口に立つ中年親父、湯河原。
こんな4人に落語を教える…
その上あらら、自分の噺にも何やら行き詰まりが…あの自信は何処へ?
どうする?どうすんの、俺!??(ライフカード?)
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以下感想。
めんどうだ、なんだ、と文句言いつつも、ほおっては置けない。
むしろ、彼らの辛さや悲しみにまで近づいていってしまう三つ葉さん。
そんな彼の行動をむさくるしく感じないのは、彼自身が自身の問題に苦しみ、また生徒(?)たちに振り回されてしまったり、短気に走ってしまったり…という弱さがあるからだと思う。
うまく言えないが、読後感がとても清々しい。
(裏表紙に「読み終えたらあなたもいい人になってる率100%!」とあるけれど、これはどうかと思う…)
不器用で不器用で、どうしようもない、でもそれ故になにか人を惹きつける登場人物が、とても愛おしくなる。
(とくに村林と十河!村林はすっごい格好良い男の子になりそうだし、ラストの十河はむちゃくちゃ可愛かった)
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