チーム・バチスタの栄光
今年最初のお奨め作品である!
第4回「このミステリーがすごい!」大賞作品。
過去の同賞受賞作品の中でも群を抜く快作という評価で、選者全員一致、5分で決まったとさえ言われるが、その逸話にたがわぬ面白さは読者をぐいぐい引っ張っていく。
40歳代半ばの新人作家、海堂尊のデビューとなる本作品、まずなによりの魅力は、キャラクターの造型にある。類型的ともいえる登場人物だが(例えば院長の高階などは、新宿鮫の桃井にも通ずるだろうし、後半の主人公白鳥に榎木津礼二郎の影を見る方も少なく無いだろう)、その仕上がりや配置は、物語を動かしていく上でこの上なく効果的な計算が張り巡らされている。
また、舞台設定も絶妙だ。心臓外科という花形の、しかも特殊な症例に劇的な効果を挙げる術式を専門とする医療チームへの疑惑。そしてその謎に挑むアウトローの昼行灯。ERや白い巨塔をはじめ好篇の多い医療現場をリアルに書き込んだ筆致は、さすがに現役の勤務医だけある。
作者がぐふぐふ笑いながら楽しそうに書いてる様子がよくわかる。彼の頭の中には、本作に登場しなかった女性官吏が活躍する別の事件さえ渦巻いていることだろう。
次回作が楽しみな作家が、またひとり登場した。
- 宝島社
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