PAUL DITISHEIM SOLVIL 懐中時計
スイス・ポールデテシェイムのSOLVIL・懐中時計。サファイヤ18石・5調整仕様。
ポールデテシェイムは「アンクル式脱進器(スイスレバー)」を実用化した1900年頃の人物。
アンクル式脱進器は高精度で小型の時計の設計を可能にし、その後のリストウオッチ(腕時計)の隆盛へと繋がっていく。
(懐中時計ではバージ、シリンダー、デテント、イングリッシュレバー、そしてアンクル等々と、いくつもの種類の脱進器が使用されてきた。腕時計ではほぼ全てがアンクル式。)
脱進器の種類については以下のサイトで紹介されている↓
http://homepage2.nifty.com/daiou/...
http://www5.ocn.ne.jp/...
時計内部ではゼンマイから発生するトルクが部品同士の接触によって力学的に伝達されてゆく。
そのため歯車の軸受けやアンクルの爪などには硬度の高い宝石(一般的には赤い人造ルビー)が装着され、摩耗を防いでいる。
時代によって異なるが、この宝石の数が時計のグレードを示す指標のひとつとなっている。
このSOLVILのムーブメントにはルビーではなく18個の青いサファイヤが使用されている。
性能差が生じるわけではないが、ハイグレードの機械を差別化する意味で使われたりするらしい。
この時計も精度良く動作中。
資料が見あたらず詳細は不明だが、1920年代あたりのモデルと思われる。ペンダントセット。(リューズを引っ張ることで時刻設定。)、ステンレスケース。
折角のサファイヤ受石だが、ステンレスのケースは堅牢で、裏蓋は「コジアケ」工具がないと開けることはできず、日常的に見ることはできない。
見なければ分からない価値だが、見てはならない。
という時計のパラドックス。
文字盤には赤文字の24時表示が後書きされていて可愛らしい。鉄道時計のような雰囲気を醸し出している。
ケース径43ミリで小振り。ブルースチール針、ポーセリン文字盤。
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