「感動」禁止! -「涙」を消費する人びと
最近やたら「勇気をもらった」だの「感動して泣きたい」といった言説をよく耳にします。そういや、すました顔で台本どおり「感動した!」なんて言った人もいました。
「勇気とか感動って誰かから与えられるものだったっけ?」なんて思ってた自分は、書店で自然とこの本に手が伸びていました(笑)
この本、タイトルこそ「感動」や「涙」の消費となっていますが、内容は実に多岐。バブル期から昨今の社会情勢を分析し、その中での象徴的な話題として「感動」が挙げられているという感じです。
バブルを経て完全に消費社会に変貌を遂げた日本。それはまさに病的と言っても良いでしょう。商業主義によって「ハレ」と「ケ」の空間が商品として確立し、人々は本当の意味での「祭り」の場を失いました。感動に飢える人々は、それすらもカネで買うことを覚え、需給関係が成立し、完全にビジネスとして定着した感があります。
そういった社会の推移を、時系列にトピックを挙げながら読めます。挙がっているトピックは、団塊世代の考察、学生運動、力石徹の追悼式、「ブランド」の考察、女性の幸せ論、山口百恵と松田聖子、ディズニー・サンリオ、学校教育現場の現状、オウム真理教、電車男、「ノリ」の考察、etc.・・・現代社会の抱える諸現象・諸問題に対し言及し、多角的にアプローチしています。
文体はときに硬く、時にくだけた感じで軽妙です。内容に深く突っ込んでる割にはすいすい読めるんじゃないでしょうか。
しかしこの本、分析については非常に詳細ですが、代替案、あるいは改善案があまり出てこないのが残念。これから社会を良くしていこうという人たちに宿題を与えているような感じになっています(笑)。
なんだか変な方向に突っ走ってる日本。ここで立ち止まってじっくり考えるという意味でも、この本を読んで現状を知ることはプラスだと思います。賢い消費者にもなりたいしね。
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コメント (4)
2006/05/19
alm とにかく何にでも感動したい世の中のようですよ(笑)。「感動」という言葉自体が「記号」として消費されているのだそうです。気になったのでしたらぜひぜひ読んでみてくださいね。
2006/06/18
toshiroh 何となく、最近知った「象徴的貧困」というキーワードと共通する点が多いような気がしたのでつながらせてもらいました。まあ、豊かな社会を否定的に見るだけでなく、「賢い消費者」と「幸せな消費者」を両立させたいなぁって思いますけどね。
alm 自分もtoshirohさんのキーワードを見て同じように思いました。浅井慎平氏のコメントは的確ですね。流れに流された結果が、もう後戻りできない状況、ってことにならないようにしたいですね。。。
alm あと、つながりを間違って消してしまいました。申し訳ありません。お手数ですが再度お願いします・・・
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