ユレル
ゆれる
監督・脚本:西川美和
出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀 、新井浩文 、真木よう子 、他
東京で成功した写真家・猛は地方で家業を継ぐ兄、そして幼なじみの智恵子とともに懐かしい渓谷へと足をのばす。そこで起こったひとつの出来事。事故なのか、事件なのか。その出来事をめぐって、弟と兄の人生がゆれ動く……。(公式サイトより)
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泣いた。
苦しくて切なくて、泣いた。
こうならないでほしいという方向へ、どんどん流れてしまって、猛が法廷で言葉を発した時、それを言ってしまうのか…と絶望感というのだろうか、苦しい気持ちでいっぱいになって、涙が出た。
兄弟だからこそ言えないこと、わからないこと、兄弟という最も身近な存在だからこそ生まれる妬みや嫉み。でもそれ以上に兄弟だからこその暖かい想いもあるはず。だから7年後の猛が叫んだあの日、彼らは一緒に帰ったと私は思いたい。そうであってほしい。
私は自分も一番上だから兄・稔の気持ちがわかる…そんな気がしていた。いつの間にかいい子になっていて、自分の感情をうまく出せずに、人に対して遠回しな言い方や探り方しかできない。本心を出すと変わったと言われる。それでも私は物語を見ているうちに弟・猛にかなり感情移入していたように思う。共感できる気になっていた兄を疑ったし、弟の行動も仕方ないと思えた。見ている私も心がゆれた。
ある雑誌の西川監督のコメントで「弟・猛の醜い部分を描いた」というのがあった。確かに猛はズルい。でもそれが人間くさく、なんだかいとおしいものに見えるのはなぜだろう。醜くズルいもの、きっとみんな心に飼っているのだと思う。それが表に出るか出ないか。どんな形でどんな場所で現れるか。
試写会で観たのだが「もう一度観たい、切なくて苦しいけど、でももう一度…」そう思った映画だった。
- 2006/07/06登録
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