むしおくり
虫送り
江戸時代に始まった、夏に行われる行事。農作物の害虫は悪霊に寄ってもたらされるとし、そうした悪霊を追い払う行事。悪霊を藁の人形に移し、鉦や太鼓ではやしながら、村の田を一巡して村境に送り出す。
悪霊とされてきた人物に、斉藤実盛(1111?~1183)がいる。平安末期の武将で、もとは源氏方だったが平家に移る。木曾義仲討伐のために北陸に下り、加賀・篠原で討たれる。それが稲の株につまずいて倒れたせいだとし、その恨みから害虫になって稲を食い荒らす...という伝承が各地に広まった。そのため、藁人形を実盛に見立てて、これを火に投げ入れて燃やす地域も少なくない。
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虫送りはわたしの住んでいるところでも行われるが、非常に簡略化したものというか、全国各地で行われているものと異なる内容である。神社に米・かまぼこなどをお供えし、神主に祝詞をあげてもらい、各家庭に棒に紙を指した「御幣」(画像)を配り、それを自分の田や畑に立てておく...というもの。小さい頃から田んぼで御幣は見ていたが、それが「虫送り」なる行事だとは知らなかった。
なお、虫送りについては小野不由美さんの長篇小説『屍鬼』に詳しい。実盛については作中の会話の内容を参考にした。それにしても戦で討ち死にした実盛が、祭で悪霊扱いされているなんて、気の毒な気がするが...。 『平家物語』はもちろん、能や歌舞伎に登場したり、芭蕉が句を詠んだりと、その死を悼んでいる人々がいると思うと、後世の人々の祭として登場させることで、哀悼の意を表しているとも考えられるか? 違うかな。悪霊だしなー。実盛については知らないので憶測だけど、調べてみると面白そう。
*虫送りは「除蝗祭(じょこうさい)」ともいうらしい
*ちなみに、富山県南砺市の福光地区では「ねつ送り」という。七夕祭と相まってなかなか賑やかな行事である
ねつおくり七夕まつり(福光町商工会)
- 2006/07/10登録
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