女のひと
大阪心斎橋・出光美術館。30歳代後半と思しき主婦3人連れが前にいるのを見つけたときに悪い予感がいたしました。案の定、しゃべる。青磁浮牡丹瓶や緑釉双魚文皿を前にして、どうして年金の話しが出るものか。ずっと、ずーっとしゃべっている。
性差を問わず人間には長所もあれば欠点もあります。したがって、おしゃべりが悪いとは申しません。女性の長寿やボケの少なさがこの会話能力に負っているという説もございます。しかし、何であれ野放図になって好ましく思えるものなどございません。まして美術館・博物館・図書館の類でのおしゃべりが御法度というのはお子達でも知っていること。
フト見ると、平台の展示ケースに飾られた小皿を、少し小柄な女性が伸び上がるようにしてのぞき込んでおられます。30半ばという辺りか。洒落た帽子に明るい色の丈の短いジャケットを着こなし、色白の頬に少し浮いたそばかすまでがチャーミング。一人寡黙に展示品を見つめるお姿は、いかにも育ちの良さそうな感じで、きらきらと黒く輝く瞳も利発そう。大阪の人ではないな。旅行者かしらん。
出光美術館には、喫茶室と見まごうばかりの休憩スペースがございます。ビルの13階から大阪の町並みを見下ろせば、季節外れの真夏日の日射もゴールデンウィークの喧噪からも隔絶した別天地。少し考え事でもしようと腰をおろすと、おやおや、先ほどのご婦人連中がやってまいりました。あれれ、小柄な美人旅行者も一緒だ。どうやら主婦連の友達だったようです。
「都会の隠れ家発見!!」
「これが500円で入れんネン。」
「上六近鉄の向こうに見えんのが桃谷の背ぇ高ビルやろ。」
おがおがうがしゃが。実にうるさい。カマビスシイ。
旅行者が一番うるさい。・・。声は可愛らしかったが・・・。
- 2002/05/07更新
- 2002/05/07登録
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