Beckford「Vathek」
1782年、イギリスの奇人W・ベックフォードがフランス語で書いた東方奇譚。彼はこの本を書き上げるのにたったの三日二晩しかかけなかったといわれている。
この世のありとあらゆる五感の快楽を極めた後、地獄の宝物が眠る地下宮殿に至る為に悪の限りを尽くすカリフ、ヴァテックの物語の上巻と、地下宮殿に閉じ込められた王子王女達の挿話の下巻から成る物語。
「…わしのしたことがお前の言うように罪に汚れているならば、一刻たりともわしにとっての恩寵の時はないわけだ。お前の同類を震え上がらせるような力を得ようと、わしは血の海を渡ってきたのだ。その港を目前にしてわしが退却するなどと、命より大事な、お前のいう神の許しより大事な女を見捨てるなどと思っておるのか。太陽よ再び出でよ。わしの行く手を照らすのだ。それがどこで終わろうとかまわぬ!」
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