ヨコハマメリー
戦後50年近く、本名も年齢も明かさず、娼婦としての生き方を貫いたひとりの女性。彼女はいつも歌舞伎役者のように顔をまっ白に塗り、貴族のような白いひらひらしたドレスに身をつつみ、ひっそりと横浜の街角に立っていた。
彼女は「ハマのメリーさん」「皇后陛下」「きらきらさん」「ホワイトオバケ」など、様々な名前で呼ばれた。米軍将校しか相手にしない高級娼婦、皇族出身者、実は男でオカマ、病気で脳をやられている、豪邸に住んでいる、、、などなど、何も語ろうとしない本人を置き去りにして、メリーさんに関する噂話はどんどん膨らみ、一人歩きしていく。
日中は腰をまげ、大きなバッグを引きずりながら街に出て、夜になると歓楽街のビルの一隅で2つのパイプ椅子を並べて眠るメリーさん。クオリティの高い催し物やお祭りには必ず現れるメリーさん。人から施しを受けるのが大嫌いなメリーさん。どんなに親切にされようと、自分のことは語らないメリーさん。、、、いつしか彼女は横浜の街の風景の一部となっていき、メリーさんを温かく見守る人達もたくさん現れた。
監督は本作がデビューとなつた、若干30歳の中村高寛。この映画は、1995年の冬に街角から忽然と姿を消したメリーさんの影を追うように、彼女を取り巻く様々な人々の証言でよみがえらせるドキュメンタリー映画である。
※ ※ ※
最初、友達に誘われた時は、「ドキュメンタリー映画だから退屈かも~(先入観)」と思ってしまったけれど、見てびっくり。とても面白いドキュメンタリー映画だった。もちろんメリーさんは個性的な方なのだが(特に白塗り化粧が強烈!)、その彼女を語る人々、つまり彼女を見い出し、彼女と積極的にあるいは間接的にかかわりを持った人たちが、そろいに揃って、みんなキャラ、濃い!!(関西人の濃さとはちょっと違う)とにかく濃い!! これにびっくりの連続の1時間32分!!(爆)
真摯にメリーさんの面倒を見ようとしたゲイのシャンソン歌手、メリーさんと交流のあった舞踏家、メリーさんに付きまとわれて「怖かった」と告白する有名小説家、メリーさんを映画に撮ろうとして挫折したセックスカウンセラーの女性、メリーさんが白パン(白人相手の娼婦)として出入りしていた店の常連客で元愚連隊のオジサン、当時の事をよく知る風俗ライターのオッちゃん、「メリーさんの白粉を選んだのはこの私!」と商品を見せながら主張する化粧品店のオバさん。メリーさんが通っていたという美容院のオバさん、クリーニング屋のオバさん、昔のライバルのオバアちゃん。「メリーさんは、昔、私の顔をじいーーっと見て、以来、私の化粧法をまねたんです」といいはる女性まで出てきて、、、。
それぞれがそれぞれにメリーさんの思い出を語るのだが、「メリーさんはこんな人」といいながら、結局は自分を語っているような(自覚あるなしにかかわらず)、、、それが一番面白い。
これは私独自の見方(色眼鏡)なのか、それとも映画の監督、スタッフが若く、変な小細工や思い入れがない分、また、メリーさん自身も強烈な外見に似合わず中味はピュアーな方だったせいで、出演者(メリーさんを語る人々)の個性がストレートに出てしまったのか、、、。
よくわかりませんが、きっとこれも私の投影でしょう。(笑)
いろいろな楽しみ方、感じ方のできる作品だと思います。特に横浜近辺にお住まいの方は、懐かしい映像もたくさん出てきますから、オススメ。
歳をとって、足腰も弱くなり、気持ちも弱ってきたのか、クリーニング屋のオバさんにすすめられるままに故郷に帰ることにするメリーさん。それでも帰省の時もいつものスタイルと化粧を貫いたメリーさんですが、最後のシーン(老人ホーム)では、、、、、、、、、、。
ぐぐっ、ほろり、、と来ました。
http://www.yokohamamary.com/...
- 2006/07/31更新
- 2006/07/30登録
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最新コメント5件
2006/10/02
kecotte 私は生メリーさんも都市伝説(?)すらも知りませんでしたが、このキーワードで知ってすごく映画観たくなりました。土日なら渋谷で観られるようなので、行ってきます!
premgeetu けこさん。いってらっしゃーい。書き忘れたけど、メリーさん、声がとても可愛いです。アニメ声です(笑)
2006/10/30
kecotte ただいまー。最初の一言が本筋とは離れるのもなんですが、大野慶人さんがものすごかったですね、あの陶酔というか集中というか、ぞくぞくしました。そして現代のメリーさん、子供のように罪のない顔してらっしゃいますね。刻んできたものが見えないのか、刻んでくる過程で昇華されているのか、わからないけどあの顔は感動的です。
2006/10/31
premgeetu おかえりー。見ましたね。(笑)
濃ゆいでしょう大野さん。ワインとか飲まなくても、いつもああなんでしょうねぇ。メリーさんより濃ゆい人がいっぱいですね。あの映画。私も自分の顔には責任を持たなければ、、、、、と思います(ひとりごと)
ところで、けこさん、体調はどうですか。あまり無理をしないように、ご自愛くださいね。
kecotte ひゃー、ご心配いただいて!一応上り坂なのです、このままへたらないよう怠けます。(アレ?)
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