錻力の太鼓 ジャパン
Tin Drum JAPAN
JAPANの5枚目にして、ラストアルバム。しかも20世紀を代表する名盤。完成度はめちゃめちゃ高いです。単にニューウェーブとかテクノとして括るのは無礼な気すらする。
これは好きな人は、本当に好きなんですよね。僕も耳にタコができる程、聴きました。いや、もう舐めるように聴きました(笑)。お化粧バンドと持てはやされたファーストと聴き比べると、「同じバンドなの?」と耳を疑います。逆に言えば、たった4年で、こんなに音楽的に成熟してしまったわけで・・・。これほど、スキのないアルバムもそううありません。個人的にポップミュージックで完成度だと、これかスティーリーダンのGAUCHOか、ってな感じです。
バンドとしてのバランスも良くて、メンバーの演奏が見事にハマり、際立っています。リチャード・バルビエリのProphet-5によるシンセサイザーのヴォイシングは、今聴いてもまさにお手本。まるで絵を描いているような、そんな演奏です。ちなみにシンセ弾きとしては、B・イーノとバルビエリ、ホッピー神山が僕のベスト3。シルヴィアンの実弟であるスティーヴ・ジャンセンとミック・カーンによるリズム隊も最高です。通常、リズム隊はカッチリとサウンドの骨格を支える役目を担っているわけですが、彼らの場合はそこら辺もちょいと違います。例えるなら「左手でキレイな直線を描きつつ、追いかけるように右手でその上から曲線を描くような」そんなリズムなのです。重さだけに頼らず、バルビエリのキーボードやシルヴィアンのヴォーカルとの空間的バランスが肝。シルヴィアンのいなたいヴォーカルはもはや説明不要でしょう。歌が上手いか下手かではないことを痛感させられます。
サウンド的にもやはり申し分なくて、プロデューサー/エンジニアであるスティーヴ・ナイの手腕による部分は大きいでしょう。僕がサウンドチェックで使うアルバムの1つでもあります。ヘッドホンや分離のよいオーディオセットで聴かれることをオススメします。とにかくこれほどスリリングなアルバムはそうないですから。シビれてください。
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