著者が亡くなってから刊行された本で、「われらがアウルズ」に続くジュブナイルものである。とは言っても今回は殺人事件も絡んだ内容になっていて、まるでスペンサーの若い頃を彷彿とさせる内容になっている。主人公はボクシングを習い始めたばかりのテリーで、ガールフレンドのアビー達と一緒に同級生の不審な死を調査するところからはじまる。 その調査を始めた理由は、死んだ同級生が以前テリーにかけたひと言なのだが、とくに親しくもない彼のそのひと言のために困難な調査を...
ロバート・B・パーカーは私立探偵のスペンサーを主人公としたシリーズで有名な作家で、これまでの作品はほとんど読んでいる。先月自宅で亡くなった。机に向っていたらしいので、そのときも執筆をしていたのだろう。サリンジャーより以前のことだが、まったく知らなかった。サリンジャーは「フラニーとゾーイ」や「ナイン・ストーリーズ」なども書いているが、ほとんど「ライ麦畑でつかまえて」一作だけで有名になった作家だ。かたやロバート・B・パーカーは50作以上の作品を書い...
「暗号解読」ステル・パヴロー著 アスペクト刊という本を読んだ。良くも悪くもハリウッド映画の脚本のよう。良いところはその博覧強記ぶり。とにかく古代文明から聖書、神話、天文学、物理学、カオス理論と様々な知識を惜しげもなく披露している。最初はそれに圧倒されて、第2のマイケル・クライトンかと思ったくらい。しかし読みすすめていくにつれて、説明的な会話が気になり出し、本当に脚本のような構成になっていく。クライマックスの後半になると謎解きよりも、これでもかと...
映画「その名にちなんで」("The Namesake")をDVDで観ました。原作が穏やかであったことと、インドを強調したDVDのパッケージとインド人らしい監督名を見たときに、正直期待はしていませんでした。それでも借りてみたのは、その難しい原作をどう映像化するのか、に興味があったからです。 一言で言うとインド人移民家族の物語なのですが、映像はカラッとしています。マサラムービーのような粘っこさもないし、ハリウッド映画のようないいかげんな民族認識も...